【Movie】ゴーン・ガール(2014年)

ゴーン・ガール(2014年)

 見事なミスリードと新鮮な脚本。単に凄惨な描写による衝撃性ではなく、夫婦関係の変質の過程が生み出す混乱と苦悩と重圧。決して血生臭い物語ではないのに、戦慄の余韻を残します。他に類を見ない奥行きのある脚本のサスペンス。

没入感 9.5/10

物 語:★★★★★

映像美:★★★★☆

音 楽:★★★☆☆

字幕/吹替:字幕がオススメ です。

時 間:149分

ジャンル:サスペンス

どんな映画か(ネタバレなし)

「妻のことを考える時 いつも その頭を思う 愛らしい頭蓋骨を開いて」

「ゴーン・ガール」より

Synopsis(あらすじ)

 ニューヨークで雑誌ライターをしていたニックは、パーティーで美しく聡明な女性と出会う。彼女は絵本のモデルにもなったことのある有名な女性エイミー。2人は4年後の7月5日に結婚し、幸せに満ちた理想的な結婚生活を送っていた。しかし、2人の失業、ニックの故郷ミズーリ州への引越しを機に、順風だった夫婦関係に影が差し始める。そして、5回目の結婚記念日の朝、突如、エイミーが行方不明となる。ニックは妻の消息を掴もうと奔走する一方、エイミーの失踪は世間の注目を集め、報道は過熱、全米を騒がす失踪事件に発展していく。

Highlights(見どころ)

 サスペンス映画といえば、信頼していたあの人が黒幕で… 、実は精神分離症で… 、宗教儀式が関係していて… 、というような、ある程度パターン化されつつあるジャンルかなあと思っていたのですが、本作は私がこれまで見たサスペンス映画とは全く異なり、想像もしなかった展開と結末が待っていました。

 本作は変質する夫婦関係がもたらす混乱と苦悩と重圧を描き、今まで見たことのない新鮮さがある作品で、とても好きな作品です。物語は開始1時間ですべての真相があきらかになってしまい、残り1時間もあるけど?と思っていたら、さらなる展開が待ち受けています。前半で地味に蒔いていた伏線の芽が後半から膨らみ出し、思った以上に展開に物語に奥行きがあり、見ごたえのある濃い作品です。

 挿入される音楽は、煽りすぎない適度なもので、不穏感を絶妙に醸し出しています。そして本作では、冒頭とラストに同じシーンが使われているのですが、最後に観るそのシーンが、冒頭に見た時とまったく違う印象の観え方をし、戦慄を覚える秀逸な演出です。ぜひご覧になってみて下さい。

 ちなみに主演のベン・アフレック、ロザムンド・パイクは、本作を見てとても魅力的な俳優だと思いました。2人の好演も見どころの一つです。


Uroko

Gone Girl | Official Trailer/20th Century Studios(YouTube)

作品情報

制作年:2014年

制作国:アメリカ

監 督:デヴィッド・フィンチャー

出 演:ベン・アフレック、ロザムンド・パイク

ジャンル:サスペンス

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