プリズナーズ(2013年)
緻密な伏線、陰鬱で重苦しい空気、そして結末の余韻。完成度の高いサスペンスミステリー。
物 語:★★★★★
映像美:★★☆☆☆
音 楽:★★☆☆☆
字幕/吹替:字幕がオススメ
時 間:152分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
どんな映画か(ネタバレなし)
「僕がいる間 泣かなかったよ」
「プリズナーズ」より
Synopsis(あらすじ)
とある田舎町で二つの家族が一緒に自宅で感謝祭を祝っていた。夕方になりお互いの家族の娘たちがいないことに気が付く。当日、近所には見慣れないキャンピングカーが止っていた。—―二人の少女の失踪事件―― 容疑者を特定するも、物的証拠は挙がらず、捜査は難航。一日も早く見つけ出さなければ、娘たちの命が危ない。なりふり構わず娘を見つけ出そうとする父親、憔悴していく母親、壊れていく家族、事件を解決しようと奔走する刑事を描くサスペンスミステリー映画。そして犯人は誰なのか。
Highlights(見どころ)
作中の季節は冬に入ろうとしている時期で、空は常に曇天、街には雪が見られ、色味のない冷たさを感じるシーンが多く、それが陰鬱とした雰囲気を作っています。また多くの場面で雨が降り、事件の糸口がつかめず、進展しない重苦しい空気と焦燥感を演出しています。そんな空気にじっくり腰を据えて浸ってみてほしい作品です。また、伏線も綿密に張られ、脚本の完成度も高いサスペンスミステリーです。
娘を見つけ出すために手段を選ばない父親(ケラー)をヒュー・ジャックマンが演じており、娘が生きていることを堅く信じ行動する姿には、痛々しいほどの切迫感と盲目的な愛情を感じます。地元警察の刑事(ロキ)役のジェイク・ギレンホールは、粗暴ながらも事件を解決しようと強い意志をもち、陰鬱な空気の中にあって、希望を見出してくれる存在です。
彼らの奮闘が、どのような結末を向かえるのか、タイトルの「プリズナーズ」の意味を考えながら、ご覧になってみて下さい。
本作は、宗教的な意味合いを持たせた設定、演出、台詞などが見受けられます。日本人には分かりにくい部分なので、映画を見終わってから、解説サイトなどを見ると2度楽しめると思います。
Uroko
作品情報
制作年:2013年
制作国:アメリカ
監 督:デニ・ヴィルヌーヴ
出 演:ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール他
ジャンル:サスペンス、ミステリー
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