フローズン・タイム(2008年)
女性の美に魅入られた美大生の主観の世界に身をゆだねてみると、むずがゆく、和やかな気持ちを覚える作品。
物 語:★★★★☆
映像美:★★★☆☆
音 楽:★★★☆☆
字幕/吹替:字幕がオススメ です。
時 間:102分
ジャンル:エロティック・ロマンス
どんな映画か(ネタバレなし)
「心のボルトが外れいてく 時間操作は科学ではなく 個人の意識で起こる」
「フローズン・タイム」より
Synopsis(あらすじ)
美大生のベンは2年半付き合った彼女であるスージーに「君を幸せにできない 別れよう」と告げる。自ら別れを告げたにも関わらず、自分の選択の愚かさに後悔の念が沸き上がってくる。追い打ちをかけるようにスージーに新しい恋人ができたことを知る。冷静さを失い、やり直そうと電話を掛けたり、どんな男か聞こうとしたり、哀れさが増す。まさにベンは「どん底」いた。以来、彼の眠れない生活が始まる。やがて2週間も不眠の日々が続いたベンは、時間の観念を忘れ、気が付けば自分以外の世界がフリーズしていた。静止した世界の中で、「瞬間」をじっくり味わうように女性たちのデッサンを始めるベン。そんな中で、一人の女性に目が離せなくなっていく。
Highlights(見どころ)
本作は「あらすじ」にもあるように少し変わったロマンス作品です。自分以外の世界の時間が止まったりと、なぜこんな妙な設定なのかというと、本作が主人公ベンの主観で物語が展開していくためです。ベンは、“ 彼女のことを幸せにできるかわからない ” という真面目さと自信の無さからくる不安から、スージーとの別れを選び、その選択に後悔し続けます。そんな若い頃にありがちな青い苦悩をベンの主観で描いています。美に魅入られ画家を目指す彼が、欲求不満と睡眠不足から、想像と現実、過去と現在を行ったり来たりしながら物語は進んでいきます。それだけに、ただただ “ 彼の主観 ” で、メッセージ性があるわけでもなく、「だからなんなんだ」という気もよくよく考えるとしてくる作品なのですが。
ベンは不眠の間、24時間のスーパーで夜勤のバイトを始めるのですが、そこで出会うバカで愉快な同僚や店長、幼馴染の友達ショーンは、クスっと笑わせてくれる存在で、決して重たい雰囲気の映画ではなく、優しく柔らかい雰囲気で展開していく作品です。ベンの主観的な物語に身をゆだねて浸ってみると、むずがゆい妙な余韻が残る不思議な作品になっていますのでぜひご覧になってみて下さい。
Uroko
作品情報
制作年:2008年
制作国:イギリス
監 督:ショーン・エリス
出 演:ショーン・ビガースタッフ、エミリア・フォックス他
ジャンル:エロティック・ロマンス
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