ダンケルク(2017年)
独軍の侵攻によりダンケルクの海岸に追い込まれた英仏連合軍。文字通り絶望の淵に立たされた40万の兵士たちの絶望感と焦燥感に観る者の心は強くとらわれていく。そして、救出に向かうものたち――最後に浮かぶ涙は安堵のせいじゃない。
物 語:★★★★★
映像美:★★★★☆
音 楽:★★★★☆
字幕/吹替:字幕がおススメです。
時 間:106分
ジャンル:戦争
どんな映画か(ネタバレなし)
ダンケルクで兵士たちは運命を待った
映画「ダンケルク」
救出に望みを託し
奇跡を信じて
Synopsis(あらすじ)
1940年、ドイツ軍はフランス侵攻を開始する。英仏連合軍はドイツ軍に圧倒され、フランス北端のダンケルクの海岸に追い込まれてしまう。周辺地域制圧され、海を背後に包囲されていた。海岸で救出を待つ40万の兵士たち――絶滅寸前。ドイツ軍の攻撃が続く中、イギリスは輸送船や軍艦だけでなく民間船も含めたすべてを動員して、40万の将兵を救出しようとしていた。
Highlights(見どころ)
本作は1940年に実行されたダンケルクに残された連合軍の救出作戦(ダイナモ作戦)を史実を描いた作品です。ダンケルクの海岸では救出を待つ40万人の将兵。海には救出に向かう艦艇や多くの民間船の姿がありました。しかし救出は容易ではありません。陸はもちろん、海からも空からもドイツ軍は強襲を仕掛けてきます。生き抜こうとするもの、救出しようとするもの、陸海空でそれぞれ命がけの物語が交差し、映像は展開していきます。
映画序盤から音楽の効果もあり兵士の絶望感と焦燥感に気持ちが染められ、深く没入できます。音楽は映画音楽の巨匠ハンス・ジマー。やはりこの人の音楽は人の心をとらえて離さない。映像には水の恐怖や空中戦の臨場感を感じるし、物語の舞台のほとんどが海上と空中ということもあり、陸地のない心細さを遠くで感じられ、本土に帰還時の安堵感を大きくしてくれます。
そしてなにより生き抜こうとする兵士たちの姿に思わず力が入ってしまうし、救出しようとするものたちの自己犠牲には心動かされるものがあります。(特にトム・ハーディには台詞こそ多くないが抜群に魅せられます。)
序盤から深く没入させてくれ、救出の過程に安堵と絶望を感じながら、最後には安堵ではない涙が浮かぶ作品です。ぜひご覧になってみて下さい。
uroko
作品情報
制作年:2017年
制作国:アメリカ
監 督:クリストファー・ノーラン
出 演:フィオン・ホワイトヘッド、マーク・ライランス、トム・ハーディ他
ジャンル:戦争
コメント