ギルティ(デンマーク版)(2018年)
映像や音楽に頼らないのに背筋が凍る新感覚サスペンス。電話の声と沈黙が喚起する映像の世界に気が付けば浸っている。
物 語:★★★★★
映像美:★☆☆☆☆
音 楽:☆☆☆☆☆ *本作は音楽を使っていない
字幕/吹替:字幕がオススメ ですが、吹替でも違和感ありません。
時 間:88分
ジャンル:サスペンス
どんな映画か(ネタバレなし)
「ドライブに来ただけよ 心配しないで」
「ギルティ」より
Synopsis(あらすじ)
緊急通報ダイヤルのオペレーター室を舞台に、女性誘拐事件を解決しようとするオペレーターを描くサスペンス映画。ある日、ひとりの女性から一本の通報電話が入る。女性の話はなぜか釈然としない。通報を受けたオペレーターであるアスガー・ホルムは女性が今まさに誘拐されているのだと気づく。女性の声と微かに聞こえる周囲の音だけを頼りに事件を解決しようとするが…。
Highlights(見どころ)
本作は、オペレーターの電話のやりとりが淡々と描かれています。挿入音楽もありません。電話口から聞こえる声と音だけを手掛かりにし、電話でのやりとりのみで物語は展開していきます。印象的なのは「無音」の使い方です。本作では長い沈黙、静寂に包まれるシーンが何度かあります。サイレントなシーンにも関わらず、怒り、混乱、後悔といった人間の感情を手に取るように感じさせる巧みな演出をしています。
また、映像は部屋にいるオペレーターの姿を映すのみにも関わらず、見終わったときには、いろいろなシーンを観てきたかのような感覚が残ります。電話での会話から、見る側に様々なシーンを想像させ、映像を伴うサスペンス映画と同様に不気味さや背筋が凍るような衝撃を与えてくるところが、本作が他に類を見ない映画といえるところだと思います。
88分という気軽に見やすい長さも良いところですね。見る側の想像力を喚起し作中に引き込んでいく新感覚のサスペンス映画ですので、ぜひご覧になってみてください。
Uroko
作品情報
制作年:2018年
制作国:デンマーク
監 督:グスタフ・モーラー
出 演:ヤコブ・セーダーグレン他
ジャンル:サスペンス
コメント